薬剤師国家試験 第105回 問328 過去問解説

 問 題     

86歳男性。脳梗塞のため在宅療養中である。薬剤師が訪問した際、仙骨部に褥瘡があることがわかった。褥瘡の状態は、滲出液を伴う赤色肉芽(赤色期)が主で、壊死組織(黄色期)はわずかであった。薬剤師が医師に処方提案する医薬品として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 酸化亜鉛軟膏
  2. スルファジアジン銀クリーム
  3. 精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏
  4. アルプロスタジルアルファデクス軟膏
  5. ジメチルイソプロピルアズレン軟膏

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

選択肢 1,5 ですが
これらの軟膏は、創面保護、抗炎症などを期待して、褥瘡の初期に用います。具体的には「仙骨の発赤が見られる」といった段階で用います。また液の吸収をする軟膏ではありません。よって、選択肢 1,5 は誤りです。(類題 101-278)

選択肢 2 ですが
スルファジアジン銀クリームは、壊死ありの場合に、クリームを用いつつ壊死部分除去を行います。壊死組織がわずかなため、選択肢 2 は不適切と考えられます。(類題 103-198)

選択肢 3 は妥当な記述です。
浸出液吸収が期待されます。

選択肢 4 ですが
肉芽形成開始時において、上皮再生を促すねらいで使用します。既に肉芽が主なので不適切と考えられます。(類題 104-280)

以上より、正解は 3 です。

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