薬剤師国家試験 第105回 問314-315 過去問解説

 問 題     

40歳男性。自営業。アトピー性皮膚炎の治療のため、かかりつけの薬局を利用している。この度、市から通知された特定健康診査を受け、下記の検査結果を持って来局した。

身長 176cm、体重 79kg、腹囲 86cm、収縮期血圧 138mmHg、拡張期血圧 88mmHg、尿蛋白 (-)、尿糖 (-)、中性脂肪 124mg/dL、HDL-C 48mg/dL、空腹時血糖値 93mg/dL、HbA1c 5.5%(NGSP値)。心電図 異常なし。喫煙歴 21歳頃から1日20本程度。

この検査結果を踏まえて、医師から禁煙を強く勧められたとのことであった。

問314

この男性が受けた特定健康診査は、どの法律に基づくものか。1つ選べ。

  1. 介護保険法
  2. 健康増進法
  3. 国民健康保険法
  4. 高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)
  5. 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)

問315

薬剤師が「禁煙をサポートしましょうか」と声をかけたところ、「禁煙は初めてだけどやってみます」と回答があった。この男性への薬剤師の対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

  1. 禁煙開始日を決めるよう伝える。
  2. タバコを吸いたくなったときの対策について一緒に考える。
  3. 定期的にフォローアップを行う。
  4. タバコには離脱症状がないと伝える。
  5. 公的医療保険を使って禁煙外来での治療が受けられる場合があると伝える。

 

 

 

 

 

正解.
問314:4
問315:4

 解 説     

問314

特定健康診査とは、生活習慣病の発症、重症化予防を目的とし、メタボリックシンドロームに着目した 2008 年より導入された健康診査のことです。40 歳以上が対象です。高齢者医療確保法に基づきます。

以上より、正解は 4 です。

問315

禁煙すると、イライラするといった離脱症状が見られます。

そのため「タバコには離脱症状がない」と伝えると、「嘘ばっか教えやがって、あんなやつの言うことなんて聞くんじゃなかった、禁煙なんてやめよう」などの反応が予想されます。禁煙の邪魔をしかねない対応となってしまい、不適切です。

以上より、正解は 4 です。

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