問 題
57歳女性。大腿骨頸部骨折の治療を目的とした手術のために本日入院した。手術は4日後に予定している。病棟担当薬剤師が患者の持参薬を確認したところ、下記5種類の薬剤を所持していた。
持参薬
- アムロジピンベシル酸塩錠
- アトルバスタチンカルシウム水和物錠
- アルファカルシドールカプセル
- ラロキシフェン塩酸塩錠
- ロキソプロフェンナトリウム水和物錠
問260
医師に休薬を提案すべき薬剤として適切なのはどれか。1つ選べ。
- アムロジピンベシル酸塩錠
- アトルバスタチンカルシウム水和物錠
- アルファカルシドールカプセル
- ラロキシフェン塩酸塩錠
- ロキソプロフェンナトリウム水和物錠
問261
手術前から休薬すべき薬剤のその理由となる副作用はどれか。1つ選べ。
- 房室ブロック
- 高血糖
- 高Na+血症
- 血栓形成
- 消化器障害
正解.
問260:4
問261:4
解 説
問260
問261 と合わせて解説します。
問261
手術前に休薬が必要な代表的薬物として
血をサラサラにする薬(手術で大出血につながる)の他に、女性ホルモン系の薬があげられます。
この理由ですが
手術後基本的にずっと横たわっている → 血栓できやすい ためです。女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、肝臓に作用し血を固まりやすくする物質の合成を促進します。そのため、休薬が必要です。
持参薬について
アムロジピンは Ca 拮抗薬です。降圧薬です。
アトルバスタチンはスタチン系です。HMG-CoA 還元酵素(hydroxymethylglutaryl-CoA reductase)阻害薬です。脂質異常症治療薬です。
アルファカルシドールは、活性型ビタミン D3 製剤です。骨粗しょう症治療薬です。
ラロキシフェンは、エストロゲン受容体を刺激し、骨吸収を抑制する骨粗しょう症治療薬です。女性ホルモン様の作用なので、休薬が必要です。
ロキソプロフェンは NSAIDs です。痛み止めです。
以上より
問 260 の正解は 4 です。
問 261 の正解は 4 です。
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