問 題
23歳女性。医療系大学の学生で現在、学外実習を行っている。最近、実習先への電車移動中に腹痛を伴う下痢を経験するようになり、電車を利用するのが怖くなった。近医を受診し精密検査を受けた結果、下痢型の過敏性腸症候群と診断され、以下の処方による治療が行われている。
問258
2週間経っても症状の改善がみられなかったため、薬剤の追加が検討された。追加薬剤の候補として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ドンペリドン錠
- ロペラミド塩酸塩カプセル
- メサラジン錠
- チキジウム臭化物カプセル
- ラモセトロン塩酸塩口腔内崩壊錠
問259
候補となるそれぞれの薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ドパミンD2受容体遮断
- セロトニン5-HT3受容体遮断
- オピオイドμ受容体刺激
- ロイコトリエンB4産生阻害
- アセチルコリンM3受容体遮断
正解.
問258:2, 5
問259:2, 3
解 説
問258
問 259 と合わせて解説します。
問259
問 258 について
選択肢 1 ですが
ドンペリドン(ナウゼリン)は、吐き気止めです。不適切と考えられます。
選択肢 2 は妥当です。
ロペラミド(ロペミン)は、止瀉薬です。オピオイド μ 受容体を刺激することにより、腸運動を抑制します。
選択肢 3 ですが
メサラジンは、5-アミノサリチル酸です。抗炎症薬です。不適切と考えられます。
選択肢 4 ですが
チキジウム臭化物カプセルは、抗コリン薬です。既に処方されているメペンゾラートが、抗コリン作用により、消化管れん縮を抑制する薬です。作用機序が重複になるため、適切ではないと考えられます。
選択肢 5 は妥当です。
ラモセトロン(イリボー)は、5-HT3 受容体遮断作用を示します。下痢型過敏性腸症候群の症状を改善します。
以上より、問 258 の正解は 2,5 です。
問 259 の正解は 2,3 です。
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