薬剤師国家試験 第105回 問234-235 過去問解説

 問 題     

ある新人薬剤師が、性的接触を介して感染する感染症と診断された患者に処方された薬剤の調剤を何例か経験したため、この感染症に関する情報を調べた。

我が国において、この感染症は異性間よりも同性間の性的接触による感染の方が多く、また、症状が進行した場合はニューモシスチス肺炎やカンジダ症を合併することが分かった。

問234

我が国におけるこの感染症の男女別の発生動向を示した図はどれか。1つ選べ。

問235

この感染症の治療薬に含まれる成分として正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. バラシクロビル塩酸塩水和物
  2. アジスロマイシン水和物
  3. ミノサイクリン塩酸塩
  4. エルビテグラビル
  5. ソホスブビル

 

 

 

 

 

正解.
問234:1
問235:4

 解 説     

問234

性的接触を介して感染する感染症で、同性間の感染が多く、症状進行に伴いニューモシスチス肺炎などの免疫低下時に見られる合併症があることから、AIDs です。本試験時点で、年間 1000 件弱程度です。

縦軸の数値に注目すれば、正解は 1 です。

問235

AIDs 治療薬を選べという問題です。

選択肢 1 ですが
バラシクロビルは、アシクロビルのプロドラッグです。抗ウイルス薬です。ヘルペスウイルス感染症に用いられます。AIDs 治療には用いられません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
アジスロマイシンは、マクロライド系抗生物質です。AIDs 治療には用いられません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ミノサイクリンは、テトラサイクリン系の抗生物質です。AIDs 治療には用いられません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。
エルビテグラビルは、インテグラーゼ阻害薬です。抗 HIV 治療薬です。

選択肢 5 ですが
ソホスブビルは核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害剤です。C 型肝炎治療薬です。プロドラッグです。肝細胞内でカルボキシルエステラーゼ(CES1)などによる代謝を受け活性代謝物ウリジンアナログ-3リン酸となり薬効を発揮します。(103-333)

以上より、正解は 4 です。

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