薬剤師国家試験 第105回 問194 過去問解説

 問 題     

便秘治療薬の有効性に関する臨床試験の結果から、以下の情報を得た。データ解析方法に関する文中の[  ]に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。

Bristol便形状スケールに基づいた便硬度の1週間当たりの中央値は、観察期においてプラセボ群がスケール2、本剤群がスケール2であり、投与期においてプラセボ群がスケール2、本剤群がスケール4であった。

[  ]の結果、投与期において、本剤はプラセボ群に対してスケール値の有意な増加を示した。

  1. カイ二乗検定
  2. ログランク検定
  3. Mann-Whitney U-test
  4. 対応のあるt検定
  5. 重回帰分析

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

選択肢 1 ですが
カイ二乗検定は、データの分布が理論とほぼ同じかどうかを検定する時に用います。この試験では用いられません。よって、選択肢 1 は誤りです。(99-67)

選択肢 2 ですが
ログランク検定は、カプラン・マイヤー法で推定した後2群の生存曲線に差があるかどうかを推定する方法の一つです。P 値が得られます。この試験では用いられません。よって、選択肢 2 は誤りです。(103-193)

選択肢 3 は妥当な記述です。
2群のデータに差があるかどうかを検定する時に用いる検定法です。それぞれ順位をつけ、順位の和を考えます。

選択肢 4 ですが
「対応のある」とは、条件を変えても同じ個体群で繰り返し測定したデータのことです。この試験は「対応のない」データと考えられます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
重回帰分析とは、回帰分析の変数が増えた場合です。回帰分析とは y = ax + b のような1次関数のような形で2つの変数の関係を評価する分析法です。この試験における変数は、薬を投与したかしていないかと、スケールです。3つ以上の変数というわけではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。(99-194)

以上より、正解は 3 です。

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