薬剤師国家試験 第105回 問153 過去問解説

 問 題     

自律神経節遮断薬の効果とその説明に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 唾液腺は副交感神経の支配が優位なため、口渇が起こる。
  2. 心臓は交感神経の支配が優位なため、心拍数が増加する。
  3. 消化管は副交感神経の支配が優位なため、消化管の緊張低下や便秘が生じる。
  4. 汗腺は交感神経の支配が優位なため、汗の分泌が増加する。
  5. 瞳孔は副交感神経の支配が優位なため、縮瞳が起こる。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

自律神経節遮断薬により、交感神経系も副交感神経系も遮断されます。各臓器が「交感神経優位」か「副交感神経優位」か により、自律神経節遮断薬の効果が異なります。

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
心臓は、副交感神経系優位です。よって、選択肢 2 は誤りです。
副交感神経が刺激されると脈は低下します。自律神経節遮断薬を投与すると副交感神経遮断の影響がより大きくでるため結果として、「頻脈」となります。

選択肢 3 は妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
汗腺は交感神経が優位に支配しており、交感神経優位になると汗が吹き出してくるといった反応が見られます。自律神経節遮断薬投与で交感神経遮断の影響がより大きくでるため、結果として汗の分泌が「低下」します。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
抗コリン薬で瞳ぱっちり を思い出せば「縮瞳」ではなく「散瞳」です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,3 です。

類題 101-153
参考 生化学まとめ 自律神経系

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