薬剤師国家試験 第105回 問135 過去問解説

 問 題     

化学物質の毒性評価とその試験法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 食品添加物や農薬などの安全性を調べるための毒性試験には、good laboratory practice (GLP)に基づいた試験法ガイドラインが設けられている。
  2. 無毒性量は、一般毒性試験の単回投与毒性試験により求められる。
  3. 発がん性試験では、遺伝子突然変異や染色体異常、DNA損傷を指標とする複数の試験法を組み合わせて、発がん性の評価を行う。
  4. 農薬の毒性評価には、急性毒性試験は必要ない。
  5. 催奇形性には動物種差が存在するため、催奇形性試験はラットなどのげっ歯類及び非げっ歯類で行われる。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
反復投与毒性試験です。単回投与毒性試験ではありません。(104-129)

選択肢 3 ですが
発がん性試験とは、マウスなどに被験物質を長期的に暴露させて、腫瘍が発生するかをみる試験です。「腫瘍発生するかどうか」で評価します。複数の試験法を組み合わせて というのは妥当ではないと考えられます。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
例えばヘリによる農薬の散布場所に、誤って人がいた場合や、田んぼで農薬散布時に誤って汚染された場合などを考えれば、急性毒性試験も「必要」と判断できるのではないでしょうか。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当な記述です。(104-129)

以上より、正解は 1,5 です。

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