問 題
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- MHCが同一個体内で遺伝子再編成することにより、多様な免疫応答が可能となる。
- MHC分子は、移植片拒絶反応を引き起こす抗原として発見されたものである。
- MHC分子は、父親と母親に由来するMHCの両方から発現する。
- MHCクラスⅡ分子は、主に活性化マクロファージ、樹状細胞、B細胞において発現している。
- T細胞抗原受容体(TCR)は、自己のMHC分子と抗原ペプチド断片の複合体を認識する。
正解．1
解 説
MHC とは、細胞表面に出ている糖タンパク質です。ヒトの MHC を HLA と呼び、多型が多いことが知られています。
選択肢 1 ですが
遺伝子再構成するのは 「TCR」です。MHC ではありません。
選択肢 2 は妥当な記述です。
MHC は、自己ー非自己を見分けるための部分といえます。そして、ヒトの MHC である HLA が一致しない移植片に対しては拒絶反応が引き起こされます。
選択肢 3 は妥当な記述です。
１つの細胞には、父由来の HLA 遺伝子と、母由来の HLA 遺伝子があり、両方の遺伝子からタンパク質が発現されます。
選択肢 4 は妥当な記述です。
樹状細胞などは MHC クラスⅡを発現しており、抗原掲示を担います。
選択肢 5 は妥当な記述です。
TCR は、自己の MHC 分子＋ペプチド断片の複合体を認識します。
以上より、正解は 1 です。
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