105回薬剤師国家試験 問109解説

 問 題     

以下のアルカロイドのうち、生合成前駆体となるアミノ酸がトリプトファンであるのはどれか。2つ選べ。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

トリプトファン由来なので、インドール環の名残があるものを選びます。具体的には「ベンゼン環と隣接する環に N が含まれていて、かつ、その環に二重結合がある化合物」を探します。すると 選択肢 3 (構造の左下部分)及び 選択肢 4 (構造の左上部分) と判断できるのではないでしょうか。

ちなみに
選択肢 1 は ノスカピンです。
非麻薬性中枢性鎮咳薬です。

選択肢 2 は コデインです。
構造の左下の部分のメチル基が脱メチルすると、モルヒネです。モルヒネの構造、及び、モルヒネが「チロシン由来」は基礎知識です。そこからコデインもチロシン由来と判断するとよいと考えられます。

選択肢 3 は エルゴメトリンです。
麦角アルカロイドの一種です。非選択的 α 遮断薬です。

選択肢 4 は キニーネです。
抗マラリア薬です。

選択肢 5 は スコポラミンです。
ベラドンナアルカロイドの一種です。抗コリン薬です。

以上より、正解は 3,4 です。

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