薬剤師国家試験 第105回 問59 過去問解説

 問 題     

フィラデルフィア染色体が高頻度に認められる疾患はどれか。1つ選べ。

  1. 急性骨髄性白血病
  2. 慢性骨髄性白血病
  3. 成人T細胞白血病
  4. 悪性リンパ腫
  5. 多発性骨髄腫

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

慢性骨髄性白血病(CML:chronic myelicytic leukemia)は、後天的な造血幹細胞の遺伝子変異による白血球のがん化です。

フィラデルフィア染色体と呼ばれる、9 番目と 22 番めの染色体の転座が特徴としてみられます。これにより、22 番染色体上の BCR と 9 番染色体の ABL と呼ばれる遺伝子領域が複合し、キメラ遺伝子であるBCR-ABL 遺伝子が形成されます。

この遺伝子の産物である BCL-ABL チロシンキナーゼが発症の原因です。このチロシンキナーゼの選択的阻害剤であるイマチニブが第一選択薬として用いられます。

以上より、正解は 2 です。

参考 病態・薬物治療学まとめ 白血病の病態生理、治療薬、注意点

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