問 題
混合物中の一つの成分の化学ポテンシャルは、圧力と温度が一定の条件下、混合物中にその成分を1mol加えたときの、系全体の( )の変化量として定義される。( )にあてはまる熱力学量はどれか。1つ選べ。
- 内部エネルギー
- エンタルピー
- エントロピー
- ギブズエネルギー
- ヘルムホルツエネルギー
正解.4
解 説
化学ポテンシャルとは、混合物が関与する際の、各物質の「部分モルギブスエネルギー」です。これを特に「化学ポテンシャル」と呼び、μ でよく表されます。従って、□ にあてはまる熱力学量は「ギブスエネルギー」です。
そもそもギブスエネルギーとは、G = H -TS で定義する物理量です。エンタルピー H、エントロピー S を扱う上で導入される物理量の一つです。そして、混合物が関与する系の自発性を考える際に、全ギブスエネルギーに対する各物質の寄与が必要となるため、部分ギブスエネルギーを考えます。この部分ギブスエネルギーが、化学的には特に重要な意味を持つため、「化学ポテンシャル」という別名を持って用いられます。
ちなみに
化学ポテンシャルについて重要な関係式が (dμ/dT)p = -S です。圧力 p が一定の定圧条件において、μ を T で微分すると、ーS となる という式です。
以上より、正解は 4 です。
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