薬剤師国家試験 第104回 問339 過去問解説

 問 題     

37歳男性。身長 170cm 体重 62kg。食道狭窄及び消化管出血のため絶食となり、高カロリー輸液の投与が開始された。他に投与されている薬剤はない。

患者データ Na 131mEq/L、Cl 114mEq/L、K 4.4mEq/L、Cr 0.9mg/dL、WBC 8,000/μL、RBC 258万/μL、便潜血 (+)

25%ブドウ糖含有の基本輸液、10%アミノ酸含有総合アミノ酸製剤1バッグ当たりのカリウム及びナトリウム量は以下のとおりである。

この処方を監査した薬剤師が、医師に照会すべき内容として適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 投与水分量の不足
  2. 味覚障害の発症
  3. 投与ナトリウム量の不足
  4. 偽アルドステロン症の発症
  5. 乳酸アシドーシスの発症

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

選択肢 1 ですが
輸液で水分補給する場合、30~35mL/kg/日 が必要です。62kg なので 1860 ~ 2170 mL です。700mL バッグ × 2 + 300 mL バッグ × 2 + 脂肪乳剤 100mL なので、十分量と考えられます。

選択肢 2,4,5 ですが
味覚障害といえば亜鉛不足、輸液に伴う乳酸アシドーシスといえばビタミン B1 不足です。しかし、総合ビタミン剤が入っており、問題ないと考えられます。また、偽アルドステロン症といえば甘草の摂りすぎなどで注意が必要です。しかし、輸液以外に投与されている薬剤もないため、こちらも照会する必要はないと考えられます。よって、選択肢 2,4,5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。(1,2,4,5 を消去するのが現実的解法と思われます。または、K+と比較した時にあまりにも少なすぎると考えるのが、現実的かもしれません。)

コメント