問 題
薬剤師が、インフリキシマブのバイオ後続品(バイオシミラー)の選定を任された。ある添付文書を読んだところ、有効成分に関する理化学的知見に以下の記載があった。
「インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]は、遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体であり、マウス抗ヒト腫瘍壊死因子αモノクローナル抗体の可変部及びヒトIgG1定常部からなる。
インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。
インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]は、450個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。」
インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]のロット間で、最も差があるのはどれか。1つ選べ。
- キメラモノクローナル抗体のタンパク質部分
- モノクローナル抗体の可変部
- ヒトIgG1定常部
- 450個のアミノ酸残基からなるH鎖
- 糖鎖
正解.5
解 説
バイオシミラーは、バイオ医薬品の本質であるアミノ酸配列は先行品と同一です。細胞株や培養工程が異なるため、糖鎖や不純物の割合などは、先行品と完全には一致しません。厳格な品質試験、薬理試験、毒性試験及び臨床試験によって医薬品としての同等性/同質性が検証されています。
以上をふまえると、糖鎖部分や不純物の割合が、ロットによっても差が出る部分であると考えられます。従って、問333 の正解は 5 です。
類題 102-214215
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