問 題
60歳男性。脂質異常症及び高血圧症の診断により、現在、処方1による薬物治療を行っている。本日、処方2が追加された。
検査値
血圧 126/76mmHg、血清クレアチニン値 0.9mg/dL、HbA1c 5.9%(NGSP値)、LDL−C 98mg/dL、HDL−C 62mg/dL、TG(トリグリセリド) 220mg/dL
問268
処方2を追加した主目的として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- LDL−Cの低下
- HDL−Cの上昇
- TGの低下
- 血圧の低下
- HbA1cの低下
問269
イコサペント酸エチル粒状カプセルを食直後に服用する理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 服薬タイミングをずらすことで、イコサペント酸エチルによるピタバスタチンの肝取り込み阻害を回避するため。
- 服薬タイミングをずらすことで、ロサルタンとイコサペント酸エチルの複合体形成を回避するため。
- 食事によって胃内容排出速度を低下させることで、イコサペント酸エチルの急激な血中濃度の上昇を避けるため。
- 食事によって胃酸分泌が亢進し、イコサペント酸エチルの溶解度が増加するため。
- 食事によって分泌された胆汁酸が、イコサペント酸エチルの可溶化を促進するため。
正解.
問268:3
問269:5
解 説
問268
処方 2 は EPA です。EPA は高脂血症に用いられます。高脂血症とは、LDLー cho 140mg/dL 以上の「高コレステロール血症」か、TG 150mg/dL 以上の状態のことです。検査値をふまえると、中性脂肪(TG)低下のために用いられていると考えられます。
以上より、問 268 の正解は 3 です。
問269
EPA は、要するに脂肪といえます。食直後に服用することで、食事により分泌された胆汁酸により吸収が促進します。食前にとると吸収が悪くなります。
以上より、問269 の正解は 5 です。
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