問 題
50歳男性。飲酒後から持続的な上腹部痛及び悪心があった。数日間、様子を見ていたが、発熱と軽度の意識障害が起こったため、病院を受診した。腹部CTにより膵臓の腫大が認められた。この患者の病態、検査及び薬物療法に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 飲酒歴と胆石症の既往の有無を確認する。
- 血液検査でアミラーゼ、リパーゼの活性低下が見られる。
- 膵機能を改善させるため、十分な食事を摂らせる。
- 病態の進展を抑制するため、ガベキサートメシル酸塩静注用を投与する。
- 上腹部痛にペンタゾシン注を用いると、病態を悪化させる。
正解.1, 4
解 説
飲酒、CT による膵臓の肥大から、膵炎が連想できると思われます。
選択肢 1 は妥当な記述です。
胆石症については、胆石症膵炎かどうかの確認のためです。
選択肢 2 ですが
膵炎であれば、自己消化により血中に酵素が流出するため、アミラーゼやリパーゼといった酵素活性はむしろ上がっていると考えられます。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
膵機能改善のため、膵臓を使わせないようにする必要があります。具体的には絶食により膵臓を休ませます。「十分な食事を摂らせる」わけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当な記述です。
選択肢 5 ですが
鎮痛にペンタゾシンなどが用いられます。特に病態を悪化させるということは知られていません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
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