薬剤師国家試験 第104回 問178 過去問解説

　問 題　　　　　

腹痛に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 腹痛は、神経痛と体性痛の2つに分類される。
2. 腹膜刺激によって起こる痛みは、体性痛である。
3. 腹部全体に痛みがある腸重積症は、急性腹症である。
4. 右下腹部痛及び発熱があると、胃食道逆流症が疑われる。
5. 左側腹部痛、発熱、黄疸があると、胆嚢炎が疑われる。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

選択肢 1 ですが
腹痛は大きく「内臓痛」と「体性痛」に分類されます。神経痛ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 は妥当な記述です。
腸重積（ちょうじゅうせき）は、乳幼児に発症することが多い病気です。腸管の一部が隣接部位に嵌入した状態のことです。

選択肢 4 ですが
胃食道逆流症は、胃酸の逆流です。「発熱」からの疑いは誤っていると考えられます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
発熱、黄疸は、胆管や胆嚢の炎症を疑う症状です。しかし臓器の位置を考えると「右」に痛みが出ると思われるため、「左側」が誤りと考えられます。

以上より、正解は 2,3 です。