問 題
球形粒子から成るある粉体を分級して得られた粉体A及びBの個数基準の粒度分布曲線を図に示した。この図から考えられることとして、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 粉体Aは粉体Bより小さな安息角を示す。
- 粉体Aは粉体Bより小さな空隙率を示す。
- 粉体Aは粉体Bより小さなかさ密度を示す。
- 粉体Aは粉体Bより小さな比表面積を示す。
- 粒度分布を質量基準で表すと、粉体Aのモード径は30μmより大きくなる。
正解.3, 5
解 説
選択肢 1 ですが
粒子径が小さくなると、安息角は一般に増加します。粒子径が大きい場合を考えて、地面に球を落としていくイメージを考えてみます。すると、上から落ちてくる球の大きさがすごい大きかったら、地面に球が積み上がって少し山ができた時に、上から落ちてきた大きな球でべちょっとつぶされてしまう → 粒子径が大きいと安息角は小さい。 → 逆に、粒子径が小さいと、安息角が大きくなる という流れで考えると、思い出しやすいかもしれません。
選択肢 2 ですが
空隙率とは、単位体積あたりのすきまの割合のことです。粒子径が「小さく」なるほど、凝集性が大きくなり空隙率が大きくなることが知られています。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当な記述です。
かさ密度は、「タッピングした後の体積」で、「粉の重さ」を割ることで求めることができます。
選択肢 4 ですが
比表面積とは、単位質量あたりの表面積、又は、単位体積あたりの表面積です。空隙率が大きい方が、余計なスカスカがあって表面積が大きいと考えると判断しやすいのではないかと思います。粉体 A の方が空隙率が大きかったので、比表面積も大きくなります。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当な基準です。
D1<・・<D4 という関係を思い出せるとよい選択肢と思われます。(参考 製剤学まとめ 粉体の性質)
以上より、正解は 3,5 です。
類題 97-176
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