薬剤師国家試験 第104回 問153 過去問解説

 問 題     

全身麻酔薬及び麻酔補助薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断することで麻酔作用を示す。
  2. プロポフォールは、ヒスタミンH1受容体を遮断することで麻酔作用を示す。
  3. MAC(最小肺胞内濃度)は、吸入麻酔薬の力価の指標となる値であり、大きいほど麻酔作用が強い。
  4. チアミラールは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のバルビツール酸結合部位に結合することで麻酔作用を示す。
  5. ドロペリドールは、アドレナリンα2受容体を刺激することで鎮静作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
プロポフォールは、GABAA 受容体機能亢進により、麻酔作用を示します。H1 遮断ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
MAC(最小肺胞内濃度)とは、対象の半数を不動化させるのに必要な肺胞内における麻酔薬の濃度です。EC50 や、LD50 の、吸入麻酔版と考えるとよいです。値が「小さい」方が、少量でよく効きます。「大きいほど」ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
ドロペリドールの作用機序は本試験時点で正確にはわかっていません。また、副作用の一つとしてα 受容体「遮断」による血圧降下が知られています。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。

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