薬剤師国家試験 第104回 問152 過去問解説

 問 題     

アドレナリン受容体遮断薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. フェントラミンは、血管平滑筋のアドレナリンα1受容体を遮断することで血圧を低下させる。
  2. ブナゾシンは、毛様体上皮のアドレナリンβ2受容体を遮断することで眼房水の産生を抑制する。
  3. アロチノロールは、気管支平滑筋のアドレナリンα、β受容体を遮断することで気管支平滑筋を拡張させる。
  4. ビソプロロールは、心臓のアドレナリンβ1受容体を遮断することで心拍数を減少させる。
  5. ナドロールは、心臓のアドレナリンβ1受容体遮断作用及び内因性交感神経刺激作用により心筋収縮力を低下させる。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
ブナゾシンは、アドレナリン α1受容体選択的遮断薬です。β2 受容体ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
アロチノロールは α、β 遮断薬です。β 遮断 なので、気管支平滑筋を「収縮」させます。拡張ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
β 遮断による作用と、内因性交感神経刺激作用は逆の作用です。β 遮断は、心筋収縮力低下方向の作用です。内因性交感神経刺激作用は、心筋収縮力上昇方向の作用です。「β1 受容体遮断作用 『及び』 内因性交感神経刺激作用」により「心筋収縮力を低下」させる、という記述は明らかに誤りです。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。
類題 103-152
参考)薬理まとめ 交感神経系に作用する薬

コメント