問 題
残留塩素による大腸菌の99%不活性化に要する濃度と作用時間の関係を図に示した。水の塩素処理及び図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 次亜塩素酸(HClO)は、次亜塩素酸イオン(ClO–)と比較すると、同濃度あるいは同作用時間では、大腸菌の99%不活性化の効果が高い。
- ClO–は、水道水質基準を満たしていれば、大腸菌を10分以内に99%不活性化することができる。
- モノクロラミン(NH2Cl)は、水道水の水質管理目標値(残留塩素1mg/L以下)において大腸菌を10分以内に99%不活性化することができる。
- 3種の残留塩素を比較した場合、有効塩素濃度(C)と99%不活性化に要する作用時間(T)の積(CT値)が大きいほど大腸菌に対する消毒効果が高い。
- HClO、ClO–及びNH2Clは、いずれも水泳プールに係る学校環境衛生基準において、水道水質基準と同様の基準値が定められている。
正解.1, 2
解 説
選択肢 1 は妥当な記述です。
HClO,ClO– の直線に注目すると、HClO の方が「有効塩素濃度がより低くても、99% 不活性化に要する作用時間が短い」ことが読み取れます。低い濃度で、あっという間に除菌ほぼ完了なので、HClO の方が不活化効果が高いと考えられます。
選択肢 2 は妥当な記述です。
「水道水質基準」を 0.1ppm = 0.1mg/L と読み替えることができるか、という知識問題です。
選択肢 3 ですが
有効塩素濃度 1mg/L の所で横線を引いて考えます。NH2Cl に関して、99% 不活性化に要する時間は、明らかに 10 分以上かかっています。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
低い濃度で、あっという間に除菌ほぼ完了の方が、消毒効果は高いと考えられます。つまり CT 値は「小さい」ほど消毒効果が高いです。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
NH2Cl は、結合残留塩素 に分類されます。そして、プールについて、結合残留塩素の基準は定められていません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,2 です。
類題 97-138,102-242243
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