薬剤師国家試験 第104回 問92 過去問解説

 問 題     

日本薬局方で確認試験が適用される対象医薬品、操作、及びその結果の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。
対象医薬品はフルオシノニド(トプシム軟膏)です。ステロイド軟膏です。F を定性する確認試験です。試験管内壁(ガラス)が溶けるせいで内壁を一様にぬらさなくなります。

選択肢 2 は妥当な記述です。
対象医薬品はアセタゾラミド(ダイアモックス)です。炭酸脱水酵素阻害薬です。酢酸鉛紙を用いて、硫化物イオンを検出します。PbS が黒色沈殿です。

選択肢 3 ですが
対象医薬品はイオタラム酸です。(ちなみに、イオタラム酸メグルミン→商品名コンレイは、販売中止になった医薬品です。)ヨウ素を定性する確認試験と考えられるため、ガスは「紫色」です。ヨウ素→紫色は基本知識です。「黄色」ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
対象医薬品はデフェロキサミンメシル酸(デスフェラール)です。「デフェロ」から読み取れるように鉄排泄剤です。ヒドロキサム酸構造(対象医薬品の左上部分)を定性します。赤~紫色になるため「青色」ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
対象医薬品はインドメタシンです。塩素を定性します。「フッ素ではないハロゲンの炎色反応」なのでバイルシュタイン試験を連想します。色は緑~青緑です。「黄色」ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。
参考 有機化学まとめ 官能基の定性試験

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