薬剤師国家試験 第103回 問342 過去問解説

 問 題     

36歳女性。重症嘔吐と摂食不良により、低カリウム血症となり、L-アスパラギン酸K注射液を投与することになった。

注意:L-アスパラギン酸カリウムとして、通常成人1回1.71~5.14g(カリウムとして10~30mEq:本剤1~3本)を日本薬局方注射用水、5%ブドウ糖注射液、生理食塩液又は他の適当な希釈液で希釈する。
その液の濃度は0.68w/v%(カリウムとして40mEq/L)以下として、1分間8mLを超えない速度で点滴静脈内注射する。
1日の投与量は17.1g(カリウムとして100mEq:本剤10本)を超えない量とする。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

この注射処方箋で疑義照会すべき内容はどれか。1つ選べ。

  1. 生理食塩液の量が少ない。
  2. 点滴速度が速い。
  3. L-アスパラギン酸カリウム濃度が低い。
  4. L-アスパラギン酸カリウムの1日の投与量が過量である。
  5. L-アスパラギン酸カリウムの1日の投与量が不足である。

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

Lーアスパラギン酸 K 10mEq/10mL と 生理食塩水 200mL を混ぜると、全量 210mL 中に 10mEq のカリウムとなります。

210mL 中に 10mEq ということは 、1 L 中に 50mEq 弱のカリウムになり、40mEq 以下とする、という注意に矛盾しています。つまり、生理食塩水の量が少ないといえます。

以上より、正解は 1 です。

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