薬剤師国家試験 第103回 問270-271 過去問解説

 問 題     

23歳男性。幼児期に喘息と診断され、総合病院の呼吸器内科でテオフィリンが処方され、継続的に服用している。最近、体調を崩し、近所の内科を受診したところ、マイコプラズマ肺炎と診断され、以下の薬剤が投薬された。

服用を始めて2日後、男性は夜中に眠れなくなったので、薬剤情報提供書を薬局に持参してかかりつけ薬剤師に相談した。

問270

相談された薬剤師は、テオフィリンとの薬物相互作用による副作用を疑い、内科医に疑義照会した。その際、薬剤師が変更を提案すべき薬剤はどれか。1つ選べ。

  1. シプロフロキサシン錠
  2. カルボシステイン錠
  3. アンブロキソール塩酸塩錠
  4. チペピジンヒベンズ酸塩錠
  5. モンテルカスト錠

問271

前問における薬物相互作用の機序として正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. CYP1A2の阻害
  2. CYP3A4の誘導
  3. 有機カチオントランスポーターの阻害
  4. P-糖タンパク質の阻害
  5. キレートの形成

 

 

 

 

 

正解.
問270:1
問271:1

 解 説     

問270

問271 とまとめて解説します。

問271

テオフィリン継続使用中の男性です。テオフィリンといえば、気管支ぜん息薬、キサンチン誘導体です。気管支が広がって楽になる薬といった程度が浮かべばよいと思われます。また、過去問から、CYP1A2 で代謝される薬であることは思い出したいポイントです。

シプロフロキサシンは、ニューキノロン系の抗菌薬です。DNAジャイレース阻害薬です。※ CYP1A2 阻害が知られている薬です。

カルボシステイン、アンブロキソールは、共に 去痰薬です。

チペピジンヒベンズ酸は、非麻薬性中枢性鎮咳薬です。

モンテルカストは、LT受容体拮抗薬です。喘息に用いられます。

以上より、問270 の正解は 1 です。
問271 の正解は 1 です。
類題 98-27299-246

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