薬剤師国家試験 第103回 問164 過去問解説

 問 題     

抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. パクリタキセルは、チューブリンの重合を阻害することで有糸分裂を抑制する。
  2. ブレオマイシンは、活性酸素を発生させ、DNA鎖を切断する。
  3. ボルテゾミブは、プロテアソームを活性化することで転写因子NF-κBの活性化を阻害する。
  4. ラムシルマブは、VEGFR2(血管内皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体である。
  5. カルボプラチンは、HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体である。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
パクリタキセル(タキソール)は、タキサン系抗がん剤です。 微小管に結合して安定化させ「脱重合を阻害」することにより腫瘍細胞の分裂を阻害します。「重合」を阻害ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい記述です。

選択肢 3 ですが
ボルテゾミブは、プロテアソーム阻害薬です。プロテアソームを活性化するわけでは、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい記述です。VEGF をターゲットとしている薬としては、他にベバシズマブ(アバスチン)やアフリベルセプト(ザルトラップ)があります。

選択肢 5 ですが
トラスツズマブ(ハーセプチン)についての記述です。カルボプラチンはプラチナ製剤です。アルキル化剤と類似した作用機序を示します。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。

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