薬剤師国家試験 第103回 問117 過去問解説

 問 題     

結核菌に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 結核菌は、外毒素を菌体外へ分泌する。
  2. 結核菌の細胞壁には、ペプチドグリカンやミコール酸が存在する。
  3. 気道から侵入した結核菌は、肺で肺胞マクロファージに貪食され、そのマクロファージ内で増殖する。
  4. 結核菌感染の既往の有無を調べるためのツベルクリン反応は、典型的なⅡ型アレルギーである。
  5. 結核予防に用いられている生ワクチンBCG株は、ヒト型結核菌の弱毒株である。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

選択肢 1 ですが
結核菌は、外毒素を分泌しません。※ただし、結核菌はグラム陽性菌の一種である抗酸菌に属します。意識して覚えておくとよいです。

選択肢 2,3 は、正しい記述です。
ミコール酸の存在については、抗結核菌薬であるイソニアジドのメカニズムがミコール酸の生合成阻害である点からも判断できるのではないでしょうか。また、結核菌はマクロファージ内で増殖 というのはぜひ覚えておくとよいです。

選択肢 4 ですが
ツベルクリン反応は、Ⅳ型アレルギー反応です。Ⅱ型ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。ちなみに、Ⅱ型は細胞傷害型、細胞融解型です。代表例は、溶血性貧血などです。

選択肢 5 ですが
BCGは、ウシ型結核菌の弱毒株です。ヒト型ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,3 です。

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