薬剤師国家試験 第103回 問91 過去問解説

 問 題     

分子間相互作用と、それが支配的に働く現象の組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ。

  • 分子間相互作用:現象
  1. 静電的相互作用:水中で非イオン性界面活性剤はミセルを形成する。
  2. イオン-双極子相互作用:水中でイオンは水和イオンとして存在する。
  3. 分散力:n-ヘキサンの沸点はメタンの沸点よりも高い。
  4. 水素結合:塩化ナトリウムの飽和水溶液から塩化ナトリウム結晶が形成される。
  5. 疎水性相互作用:DNA中のアデニン-チミン間に塩基対が形成される。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

選択肢 1 ですが
界面活性剤がミセルを形成するのは、親油性の部分が疎水性相互作用によって近づくからです。静電的相互作用ではありません。

選択肢 2,3 は、正しい組合せです。

選択肢 4 ですが
塩化ナトリウム結晶形成は、イオン結合すなわち静電的相互作用によってです。水素結合では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
DNA の塩基対で形成されるのは水素結合です。疎水性相互作用では、ありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,3 です。
類題 99-1
参考 物理化学まとめ 分子間相互作用製剤学まとめ 代表的な界面活性剤の種類と性質
 

コメント