薬剤師国家試験 第103回 問58 過去問解説

 問 題     

子宮内膜症に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 無痛性の疾患である。
  2. 受精卵が着床しやすくなる。
  3. 血清中のCA125が低値を示す。
  4. エストロゲン分泌が減少する。
  5. 薬物治療には低用量黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤を用いる。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1,2 ですが
子宮内膜症とは、子宮内膜が子宮以外の場所に発生する疾患です。子宮内膜は月経周期に伴い肥大→剥離を繰り返します。子宮以外の場所で子宮内膜が発生するとその場所でも肥大→剥離のプロセスが進行するため激しい月経痛などが症状として現れます。また、着床がしづらくなることがあります。よって、選択肢 1,2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
子宮内膜症では、CA-125は「上昇」することが多いです。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
子宮内膜症は、エストロゲン依存性の疾患です。エストロゲン分泌が減少・停止すると子宮内膜症は軽症化することが知られています。従って「子宮内膜症でエストロゲン分泌が減少する」という記述は明らかに誤りです。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい記述です。
ルナベル、ヤーズなどが用いられます。

以上より、正解は 5 です。

参考 病態・薬物治療学まとめ 前立腺癌、異常妊娠、異常分娩、不妊、子宮癌、子宮内膜症の概説

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