問 題
TNF-α(腫瘍壊死因子-α)の作用を阻害するヒト型可溶性TNF受容体-Fc融合タンパク質の生物学的製剤はどれか。1つ選べ。
- シクロスポリン
- オーラノフィン
- インフリキシマブ
- エタネルセプト
- アバタセプト
正解.4
解 説
腫瘍壊死因子(TNF:Tumor Necrosis Factor )は、過剰な発現により関節リウマチ、乾癬などの発症を招きます。抗リウマチ薬として腫瘍壊死因子をターゲットとした分子標的薬が、インフリキシマブやエタネルセプトです。よって、正解は 4 です。
ちなみに、選択肢 1 ですが
シクロスポリンは、免疫抑制剤です。カルシニューリンインヒビターです。シクロスポリンが結合するのは細胞内タンパク質であるシクロフィリンです。シクロスポリン-シクロフィリン複合体はカルシニューリンに結合し、活性化を抑制します。カルシニューリンとは、T 細胞活性化に関するシグナル伝達を担うタンパク質の一種です。
選択肢 2 ですが
オーラノフィンは、金化合物の、抗リウマチ薬です。体内の硫黄に高親和性を有します。種々のチオール(-SH)基が関与する酵素を阻害することで、薬効を示します。
選択肢 3 ですが
インフリキシマブは、遺伝子組み換え抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体です。TNF-αとは、炎症性サイトカインの一つです。TNF-αに対してインフリキシマブは選択的に結合することで、炎症を抑制します。
選択肢 5 ですが
アバタセプト(オレンシア)は、抗原掲示細胞表面のCD80/CD86 を標的とした分子標的薬で抗リウマチ薬の一つです。CD28 を介した共刺激シグナルを阻害することでT 細胞の活性化を抑制します。
類題 101-39
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