問 題
68歳女性。脳梗塞で1ヶ月間入院した後退院し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。
問254
いずれの処方薬の薬理作用にも該当しないのはどれか。1つ選べ。
- フリーラジカルを消去し、酸化的ストレスによる神経細胞の障害を抑制する。
- キニナーゼⅡを阻害し、ブラジキニンの分解を抑制する。
- H+,K+-ATPaseを阻害し、酸分泌を抑制する。
- PPARα(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α)を刺激し、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)を増加させる。
- 活性代謝物が血小板ADP受容体を遮断し、血小板凝集を抑制する。
問255
クロピドグレル錠の使用に関する注意事項として適切なのはどれか。2つ選べ。
- 肝障害や黄疸を起こすことがあるので、観察を十分に行う必要がある。
- 重篤かつ遷延性の低血糖症を起こすことがある。
- 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)が発現する危険があるので、投与開始後2ヶ月間は2週間に1回程度の血液検査を行う。
- グレープフルーツジュースは本剤の作用を増強するので避ける。
- 出血のリスクが高まるので、OTC医薬品の解熱鎮痛剤を自己判断で服用しない。
正解．
問254：1
問255：1, 5
解 説
問254
選択肢 1 ですが
記述は、エダラボンに代表される脳保護薬の作用機序です。本問の処方には、脳保護薬はありません。よって、選択肢 1 は該当しません。
ちなみに、選択肢 2 ですが
キニナーゼⅡとは、アンギオテンシン変換酵素Ⅱの別名です。エナラプリルの作用機序として、適切です。
選択肢 3 ですが
PPI（プロトンポンプインヒビター）の作用機序です。ラベプラゾールの作用機序として、適切です。
選択肢 4 ですが
フェノフィブラートの作用機序として、適切です。
選択肢 5 ですが
クロピドグレルの作用機序として、適切です。
以上より、正解は 1 です。
問255
選択肢 1 は正しい記述です。
選択肢 2 ですが
重篤かつ遷延性の低血糖症を起こす→グリメピリド（アマリール）などのSU薬の副作用に関する記述と考えられます。
選択肢 3 ですが
「血栓性血小板減少性紫斑病（TTP）」との混同を狙っている選択肢と思われます。「特発性」血小板減少性紫斑病とは、基礎疾患や原因薬剤が見られない自己免疫性の血小板減少を来たす疾患のことです。ちなみに投与開始後 2 ヶ月間の定期的血液検査は行います。
選択肢 4 は
例えば Ca 拮抗に関する記述です。
選択肢 5 は、正しい記述です。
以上より、正解は 1,5 です。
類題 ９８－２５５
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