薬剤師国家試験 第102回 問193 過去問解説

 問 題     

病態と生体リズムの関係について、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 喘息発作による呼吸困難が起きやすいのは、午後である。
  2. 高血圧症患者において血圧が最も高くなりやすいのは、夕方である。
  3. 歯の痛みが発現しやすいのは、正午頃である。
  4. うつ病のうつ状態が最も強いのは、夕方である。
  5. コレステロールの生合成が高まるのは、午前中である。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1 ですが
喘息は、夜から明け方に症状が悪化しやすいことが知られています。午後ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
高血圧患者において早朝に急激に血圧が上がる morning surge や、正常であれば夜間に血圧が相対的に下がるのですがこれがみられない non dipper など、日内変動における特徴が知られるようになっています。とはいえ、最も高くなりやすいのが夕方であるとは、本問の記述だけでは判断できないと考えられます。

選択肢 3 ですが
歯の痛みに日内変動は見られるようですが、原因などによっても変わるもので判断できない記述と考えられます。

選択肢 4 ですが
一般的にうつ状態は朝が一番つらいです。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
コレステロールの生合成は夜間に亢進されることが知られています。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、本問の正解を 1 つ選ぶことはできないと考えられます。ちなみに、厚労省による正解は 2 です。

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