問 題
細胞膜受容体の細胞内情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- アセチルコリンNM受容体(筋肉型ニコチン性アセチルコリン受容体)を刺激すると、イオンチャネルが開口し、終板電位が発生する。
- ヒスタミンH1受容体を刺激すると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、細胞内サイクリックAMP(cAMP)濃度が上昇する。
- アドレナリンα2受容体を刺激すると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。
- オピオイドκ受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ活性が抑制され、細胞内cAMP濃度が減少する。
- セロトニン5-HT3受容体を刺激すると、イオンチャネルが開口し、抑制性シナプス後電位が発生する。
正解.1, 4
解 説
選択肢 1 は、正しい選択肢です。
アセチルコリン受容体には大きく分けて M 受容体と、N 受容体があります。M 受容体は、7-TMです。(※ M1,M3 は、Gq 共役、M2 は、Gi 共役)N 受容体は、イオンチャネルです。刺激により、チャネルが開口し、電位が発生します。
選択肢 2 ですが
H1 受容体は、Gq 共役型受容体です。従って、DG、IP3 を介して情報伝達が行われます。Gs 共役型は、β1、β2、H2 、D1 等です。
選択肢 3 ですが
α2 受容体は、Gi 共役型受容体です。AC 活性が抑制され、細胞内 cAMP 濃度が減少します。
選択肢 4 は、正しい選択肢です。
オピオイド受容体は、κ 受容体の他、μ 受容体や、δ 受容体などのサブタイプがあります。どれも、Gi/Go 共役型の、7-TMです。
選択肢 5 ですが
抑制性シナプス後電位が発生するようなイオンチャネルは、GABA 受容体や、グリシン受容体です。これらは、Clー のイオンチャネルとして働きます。
以上より、正解は 1,4 です。
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