薬剤師国家試験 第102回 問150 過去問解説

 問 題     

89歳のAさんは、独居であり、居住地と同じ市内の2つの医療機関(B病院、C診療所)に通院し、いずれからも薬を処方されている。Aさんは、B病院の処方箋の調剤をD薬局で受け、C診療所では診療所の中で薬を受け取っている。Aさんは2つの医療機関からの薬について混乱する場合があるという。

地域の薬局に求められる役割を踏まえて、D薬局の薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. Aさんの服薬情報を一元的に把握したいと考え、通院する医療機関をB病院だけにするようにAさんに勧めた。
  2. 混乱を避けるため、C診療所で受け取った薬の情報とD薬局で受け取った薬の情報は、別々のお薬手帳で管理するよう伝えた。
  3. Aさんから夜間に電話で調剤の求めがあったため、電話で聞き取った薬を調剤して、Aさんの自宅に行き、処方箋と引き換えに渡した。
  4. 開局時間外にも相談に対応できるように、Aさんに相談用の電話番号を伝えた。
  5. Aさんとのやりとりを通じて入手した情報から、Aさんが混乱しないような処方提案を処方医に行った。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

A さんの生活パターンをできるだけ変えることなく、薬についての混乱を避けるようなアプローチが求められるケースです。お薬手帳の一元化はもしまだであれば、確実に行いたい所です。

選択肢 1 ですが
服薬情報を一元的に把握するのであれば、お薬手帳の一元化で可能です。これまでに行き慣れた2つの医療機関について、無理に1つだけにするよう勧めるのは適切であるとは考えられません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
別々のお薬手帳で管理するよう伝えると、どっちの手帳がどっちの病院に対応しているかがわからなくなったり手帳の紛失リスクが高まるなどが考えられます。適切ではないと思われます。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
処方せんを受け取ってから調剤しなければなりません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 は
適切であると考えられます。

以上より、正解は 4,5 です。

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