薬剤師国家試験 第102回 問120 過去問解説

 問 題     

細菌の毒素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素は、宿主細胞のタンパク質合成を阻害する。
  2. コレラ毒素は、宿主の神経筋接合部でのアセチルコリンの遊離を抑制し、筋肉の麻痺を引き起こす。
  3. ボツリヌス毒素は、宿主細胞内でアデニル酸シクラーゼを活性化し、サイクリックAMP濃度の上昇をもたらす。
  4. グラム陰性菌の内毒素(エンドトキシン)は、外膜に存在するリポ多糖である。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1,4 は、正しい記述です。

選択肢 2,3 は、主語が逆です。
コレラ毒素は、Gs タンパク質の ADP リボシル化を介し、アデニル酸シクラーゼ(AC)を活性化し cAMP 濃度の上昇をもたらします。その結果、消化管細胞の異常な興奮 → 分泌液過剰 → 致死的下痢を引き起こします。

ボツリヌス毒素は、Ach 遊離抑制を介して筋弛緩性の麻痺を引き起こします。

以上より、正解は 1,4 です。

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