薬剤師国家試験 第102回 問109 過去問解説

 問 題     

天然物A~Eの生合成に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 天然物Aは、イソプレン単位3個から生合成される。
  2. 天然物Bは、2分子のフェニルプロパノイドから生合成される。
  3. 天然物Cは、1分子のアセチルCoAと7分子のマロニルCoAから生合成される。
  4. 天然物Dは、1分子のフェニルプロパノイドと2分子のマロニルCoAから生合成される。
  5. 天然物Eは、チロシンから生合成される。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

選択肢 1 は
ホルボール という物質の構造式です。イソプレン単位は、C5なので、イソプレン単位3個であれば、C15 のはずです。しかし、構造は C が 20個見られます。よって選択肢 1 は誤りであると考えられます。

選択肢 2 は、正しい記述です。
ポドフィロトキシンという物質の構造式です。この物質の誘導体の1つが、エトポシドです。フェニル(C6)ープロパン(C3)骨格2つがくっついていると考えることができます。

選択肢 3 は、正しい記述です。
エモジンという物質の構造式です。

選択肢 4 は
クエルセチンという物質の構造式です。炭素数が C15 です。フェニルプロパノイドで C9、1分子のマロニル CoA からは C2 なので、2分子ではなく、3分子のマロニル CoA から生合成されると考えられます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は
レセルピンという物質の構造式です。左上にインドール環由来と思われる部分があります。これがトリプトファン由来です。チロシンからではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,3 です。

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