薬剤師国家試験 第102回 問46 過去問解説

 問 題     

患者のクレアチニンクリアランスに基づいて投与設計が行われる治療薬物モニタリング (TDM) 対象薬はどれか。1つ選べ。

  1. テオフィリン
  2. テイコプラニン
  3. セファレキシン
  4. シンバスタチン
  5. リドカイン

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

病院実習の時に TDM に関連して教えてもらっていれば、テイコプラニンとすぐにわかります。また、近年の過去問にも既出です。とはいえ、自信を持って本番で思い出せないかもしれません。他の選択肢の消去で行くのもありだと思います。

選択肢 1,4 ですが
テオフィリンは、喘息治療薬です。喫煙による CYP 誘導の影響を受ける という点が知識として必要になります。CYP で代謝なので、肝代謝です。クレアチニンクリアランスに基づく投与設計をするのは腎代謝の薬物なので、これは誤りと判断できます。

同様に、シンバスタチンはスタチンです。脂質異常症の治療薬です。スタチンといえば GFJ(グレープフルーツジュース) 注意 → CYP 代謝。よって肝代謝とわかります。腎代謝でないため、これも誤りです。※ちなみに、スタチンの中で、プラバスタチン(メバロチン)は、CYP 代謝を受けないスタチンです。

選択肢 3 ですが
セファレキシンは、セフェム系抗生物質です。TDM 対象薬ではありません。

選択肢 5 ですが
リドカインは、クラスⅠ抗不整脈薬です。TDM 対象薬の1つではあるのですが(101-47)リドカインは、主にCYP 1A2,3A4 で代謝されます。つまり、肝代謝の薬です(101-266)。クレアチニンクリアランスに基づく投与設計をするのは腎代謝の薬物なのでこれは誤りと判断できます。

以上より、正解は 2 です。
類題 100-272273

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