薬剤師国家試験 第102回 問45 過去問解説

 問 題     

一般に、高齢者において増大するのはどれか。1つ選べ。

  1. 胃内容排出速度
  2. 血漿中アルブミン濃度
  3. 脂溶性薬物の体重あたりの分布容積
  4. 肝臓での薬物代謝活性
  5. 糸球体ろ過速度

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

本問は知識ではなく、原則を理解した上で、いわゆる試験における現場思考が求められる問と考えられます。

高齢者なので、原則として「色んな物が減少します。」具体的には、水分、筋力、臓器機能などです。イメージとして、老人の方がカサカサ、のんびり、赤ちゃんの方がピチピチ、ジタバタではないでしょうか。そして、水分の減少は言い換えると脂肪率が(相対的に)上昇すると表現できます。ここまでが原則です。薬剤学の教科書や授業で、高齢者の部分で見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

以上をふまえ、各選択肢を検討します。

選択肢 1,4,5 は
臓器の機能は衰えると考えれば、誤りだと判断できるのではないでしょうか。

また、選択肢 2 は
アルブミン合成が肝臓で行われることからやはり肝機能の衰えに伴い減少すると考えられます。一方、高齢者になると脂肪率が増え、その結果脂溶性薬物についてはより分布しやすくなります。

以上より、正解は 3 です。

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