薬剤師国家試験 第101回 問342 過去問解説

 問 題     

50歳女性。関節リウマチの診断を受け、生物学的製剤の導入目的で入院した。入院前よりメトトレキサート、ジクロフェナクナトリウムを服用している。

入院2日目の朝、薬剤師が病棟へ行くと、「吐き気が4、5日前からあり、食欲もない。」と訴えがあった。さらに薬剤師が尋ねると、下痢はしていないが便は黒っぽい、胸や肩、頭の痛みはないということであった。

入院時検査データ
血圧 96/74mmHg、脈拍 95回/分、白血球 3700/μL、赤血球 220万/μL、血小板 15万/μL、ヘモグロビン 10.2g/dL、ヘマトクリット 24.1%

その他の所見
発熱 (-)、粘膜乾燥気味、眼瞼結膜は蒼白

薬剤師は副作用を疑い、直ちに担当医師に報告した。考えられる副作用として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。

  1. 髄膜炎
  2. 再生不良性貧血
  3. 消化性潰瘍
  4. 偽膜性大腸炎
  5. 血小板減少症

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

選択肢 1 ですが
髄膜炎なら、熱が出て、炎症がおきていて、白血球数がもう少し多いのではないかと考えられます。

選択肢 2 ですが
貧血っぽい兆候は見られるけど、再生不良性貧血だったら、白血球とか血小板も値が小さくなっているはずなので違うのではないかと思われます。

選択肢 3 はありえます。
吐き気とも符号するし、出血しているから貧血傾向と考えられます。

選択肢 4 ですが
抗菌薬使ってないし、下痢もしてないし違うと思われます。

選択肢 5 ですが
血小板は、基準値内であり誤りです。

以上より、正解は 3 と考えられます。

コメント