薬剤師国家試験 第101回 問332 過去問解説

 問 題     

非小細胞肺がんに対して外来化学療法室でカルボプラチン/パクリタキセル(TC)療法を実施することになり、レジメンに従って以下の処方が出された。これら以外には内服薬、注射薬ともに処方されていない。

これらの処方に関する記述として誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. パクリタキセルとカルボプラチンの投与順はどちらが先でもよい。
  2. アルコールに過敏であるかを事前に確認する必要がある。
  3. カルボプラチンは高度の催吐性リスクに分類される。
  4. 重大な副作用として末梢神経障害がある。
  5. 腎機能を考慮して投与量を決定する。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

選択肢 1 ですが
パクリタキセルと「シスプラチン」の投与順によって、排泄遅延の有無があると知られています。また、卵巣がんガイドラインによれば、カルボプラチンの場合もシスプラチンと同様の順序が推奨されています。これらの事実を全く知らなくても、化学療法ではレジメンが決まっていることから「どちらが先でもよい」という記述には違和感を覚えるのではないかと思います。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい選択肢です。
パクリタキセルの溶剤に無水エタノール含有のため、問診による確認が必要です。

選択肢 3 ですが
これは、シスプラチン等に関する記述です。カルボプラチンは、シスプラチンの副作用を軽減した薬です。カルボプラチンの催吐リスクは中等度と分類されています。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい選択肢です。
パクリタキセルには、末梢神経障害が知られています。他にもビンクリスチンやシスプラチンなどが末梢神経障害を引き起こす抗がん薬として有名です。

選択肢 5 は、正しい選択肢です。
カルボプラチンの投与量の算出が特徴的であるため、注意が必要です。
類題 99-301 (選択肢 4 の解説)

以上より、正解は 1,3 です。

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