薬剤師国家試験 第101回 問123 過去問解説

 問 題     

食品に由来する有害物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. ポテトチップスを製造する際の加熱時に、ジャガイモに多く含まれるアスパラギンが糖と反応してアクリルアミドが生じる。
  2. 魚の焼け焦げの部分に含まれるトリプトファン由来の変異原性物質は、トリプタミンである。
  3. マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸は発がん性を示すため、食品中含量の表示が義務づけられている。
  4. 魚に含まれる2級アミンが胃の中で塩酸と反応することにより、ニトロソアミンが生じる。
  5. 輸入ピーナッツと同様に、コウジ菌を用いる味噌・醤油についても、食品中のアフラトキシン濃度が重点的に検査されている。

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

選択肢 1 は、正しい選択肢です。

選択肢 2 ですが
魚の焦げに含まれる トリプトファン由来の変異原性物質は、ヘテロサイクリックアミンです。トリプタミンは、トリプトファンが腐敗してできる物質です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
トランス脂肪酸の表示は義務付けられていません。あんまり見たことないなぁ。。。ぐらいで判断してよいと思います。

以下、補足 
現状において WHO/FAO は、トランス脂肪酸からのエネルギー摂取を総エネルギー摂取量のうち 1 % 未満 とすべきと勧告しています。そして、多くの日本人はこの量よりも少ない摂取量と推測されています。健康への影響も小さいと考えられることから表示義務がないとのことです。ただし、摂取量の増加傾向が認められる場合は、改めて表示義務付けの検討の必要性は認識されています。(参考 トランス脂肪酸に関するとりまとめ)以上、補足。

従って、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
塩酸酸性下で、2 級アミンと亜硝酸により N – ニトロソアミンが生成されます。塩酸と反応するわけでは、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
コウジ菌は、アフラトキシンを産生しません。味噌や醤油に関してアフラトキシンの話題を聞いたことはないなぁ。。ぐらいで判断してよいと思います。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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