薬剤師国家試験 第101回 問47 過去問解説

 問 題     

血中薬物濃度に基づく治療薬物モニタリング (TDM) において、効果発現と副作用リスクの指標としてトラフ値とピーク値の測定が推奨される薬物はどれか。1 つ選べ。

  1. ゲンタマイシン
  2. タクロリムス
  3. フェノバルビタール
  4. ジゴキシン
  5. リドカイン

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

TDM において、トラフとピーク両方の測定が推奨される代表的な薬はアミノグリコシド系抗生物質です。(アミノグリコシド系抗生物質の TDM において、トラフは、副作用防止のため。ピークは、ちゃんと効果が出るように測定します。)選択肢の中ではゲンタマイシンが該当します。

以上より、正解は 1 です。

ちなみに、他の選択肢もすべて TDM の対象となる薬です。

選択肢 2 のタクロリムスは
全血中 5 ~ 20 ng/mL が目安です。シクロスポリンとタクロリムスは血球成分にも分布するので全血で TDM というのがポイントです。

選択肢 3 ですが
フェノバルビタールは血漿中 10 ~ 25 μg/mL が目安です。

選択肢 4 ですが
ジゴキシンは血漿中 0.5 ~ 2.0 ng/mL が目安です。

選択肢 5 ですが
リドカインは血漿中 2~5 μg/mL が目安です。

類題 102-170
参考 薬剤学まとめ TDM が必要な代表的な薬物

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