薬剤師国家試験 第101回 問32 過去問解説

 問 題     

高血圧症治療薬の作用機序でないのはどれか。1つ選べ。

  1. レニン阻害
  2. アンギオテンシン変換酵素阻害
  3. アルドステロン受容体遮断
  4. アドレナリン α1 受容体刺激
  5. アドレナリン α2 受容体刺激

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

α1 受容体を刺激すると末梢血管が収縮します。その結果、血圧が上昇します。よって、高血圧治療薬の作用機序では、ありません。

以上より、正解は 4 です。

ちなみに、選択肢 1 ですが
レニンとは、アンギオテンシノーゲンからアンギオテンシンⅠを合成する酵素です。アンギオテンシンや、アルドステロンは血圧上昇系のカスケードを構成する物質なので、レニンを阻害することで、降圧作用を示します。代表的レニン阻害薬はアリスキレンフマル酸塩(ラジレス)です。

選択肢 2 ですが
アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は、腎保護作用を有し、副作用として空咳や浮腫が知られている降圧薬です。代表的 ACE 阻害薬は、◯◯プリル(エナラプリル、カプトプリルなど)です。

選択肢 3 ですが
代表的アルドステロン受容体遮断薬は、スピロノラクトンやエプレレノンです。

選択肢 5 ですが
α2 受容体を刺激すると、NE(ノルエピネフリン) の分泌が抑制されます。その結果、交感神経の興奮を抑制します。中枢性高血圧症に用いられます。代表的 α2 受容体刺激薬は、クロニジン(カタプレス)、メチルドパ(アルドメット)です。

参考 薬理学まとめ 代表的な高血圧治療薬

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