薬剤師国家試験 第100回 問333 過去問解説

 問 題     

64歳女性。本日、以下に示す皮膚科の処方せんを持って保険薬局を訪れた。

服薬指導時に、抗がん剤を服用していることがわかった。その抗がん剤を服用し始めてから手のひらと足の裏が赤くなり痛みが生じるとともに、かかとがカサカサするようになったと訴えた。見せてもらうと色素沈着も認められた。

皮膚科の医師からは抗がん剤の副作用を抑えるための軟膏であると言われている。この副作用を引き起こす薬物として最も想定されるのはどれか。1つ選べ。

  1. イマチニブ
  2. ソラフェニブ
  3. ゲフィチニブ
  4. ダサチニブ
  5. ニロチニブ

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

本問の症状は手足症候群であると考えられます。選択肢の中で手足症候群を起こす可能性がある代表的な薬は、ソラフェニブです。

ちなみに、その他の代表的な薬としては、注射剤としてフルオロウラシル、ドキソルビシンリポソーム注射剤、ドセタキセルがあげられます。さらに経口剤としてはカペシタビン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、テガフール・ウラシル、スニチニブ などがあります。

手足症候群を引き起こす薬剤を大きく分類するなら、5-FU 系、分子標的薬系(ソラフェニブ、スニチニブ 共に腎がん等に使用)、その他 とまとめておくとよいかもしれません。

以上より、正解は 2 です。

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