問 題
80歳女性の家族より「一昨日、処方せんにより調剤してもらった薬を服薬してから母親の体のふらつきがひどくなり、今朝転倒した。」と薬局に連絡があった。調剤した薬剤師が確認したところ、薬剤量を誤って多く調剤した可能性が疑われた。
問324
この時点での当該保険薬局における対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- 本人の状況・状態を確認する。
- 家族を安心させるため、補償を約束する旨を伝える。
- 状況を管理薬剤師・開設者に報告する。
- 確認した事実関係を隠さないで患者側に説明する。
- 他の患者への事象拡大を防止するための策を講じる。
問325
処方された薬剤の用量を誤って調剤した場合、医療事故につながる可能性がある。下図は、公益財団法人日本医療機能評価機構で収集した医療機関におけるヒヤリ・ハット事例の報告件数に基づいて作成されている。図のア~オに入る語句として適切なのはどれか。1つ選べ。
なお、この報告件数には以下の①~③に該当する事例が含まれている。
- ① 医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例。
- ② 誤った医療が実施されたが、患者への影響が認められなかった事例又は軽微な処置・治療を要した事例。
- ③ 誤った医療が実施されたが、患者への影響が不明な事例。
データの出所:公益財団法人日本医療機能評価機構、医療事故情報収集事業平成24年年報
(注) 当事者とは、当該事象に関係したと医療機関が判断した者であり、複数回答が可能である。
- ア イ ウ エ オ
- 薬剤 医療機器等 医師 看護師 薬剤師
- 薬剤 医療機器等 看護師 薬剤師 医師
- 薬剤 医療機器等 薬剤師 医師 看護師
- 医療機器等 薬剤 医師 看護師 薬剤師
- 医療機器等 薬剤 看護師 薬剤師 医師
- 医療機器等 薬剤 薬剤師 医師 看護師
正解.
問324:2
問325:2
解 説
問324
調剤事故の連絡を受けた薬剤師は、必要な情報を患者から聞き取った上で速やかに管理者や開設者へ報告し組織的な対応の準備を行う必要があります。(選択肢 1,3)
調剤ミスにより、誤った薬剤を患者に交付してしまった場合、まず、患者の健康被害の有無を確認し健康被害が疑われる場合は必要に応じた緊急措置を講じることが重要です。そして、必要に応じて他患者への被害拡大の可能性を判断し速やかに対応します。(選択肢 5)
また、連絡を受けてから全ての過程について客観的事実を詳細に記録することが非常に重要です。事故の原因や経過に不明な点があるうちに患者側に対して確定的な説明や回答は、避けるべきです。安易な金銭的解決を図るといったことも、不適切です。(選択肢 2 (選択肢の内容は、誤り))
説明の報告においては、事実を省いたりせず、ごまかさずに伝えることが重要です。(選択肢 4)
以上より、正解は 2 です。
問325
まず、図2に注目します。医療機関におけるヒヤリハットにおいて、患者への医療の実施前に発見する職種 及び 気付かずに実施した時の当事者 としてほぼ必ず関与しているであろう職種 は「看護師」であろうと推測できると思います。よって、ウが看護師です。そこから、正解は 2 か 5 です。
そして報告項目としては、例えば薬の名前が違う、量が違う、投与する人が違うなど のヒヤリハットを考えると「薬剤」が多いだろうと判断できるのではないでしょうか。
以上より、正解は 2 です。
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