問 題
薬剤師が医師に同行して、糖尿病治療中の在宅患者を訪問した際、患者の家族よりおしりが赤くなっていると訴えがあった。医師が診察したところ、尾骨部周辺から多くの滲出液がでていた。
薬剤師は、医師から「褥瘡になっている。まず、外用剤に滲出液を吸収させたい。適切な薬剤はないか。」と相談された。
問310
以下の製剤のうち、薬剤師が提案するものとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 白色ワセリン
- 親水クリーム(親水軟膏)
- マクロゴール軟膏
- 単軟膏
- 吸水軟膏
問311
後日、この患者の処方せんを薬局がファクシミリで受け取った。薬剤師は、再度患者宅を訪問し、以下の業務を行った。適切なのはどれか。2つ選べ。
- 薬剤の効果を確かめるために、患者から同意を得た上で採血を行い血糖を測定した。
- 患者が服薬しやすいように服薬カレンダーに薬剤をセットした。
- 患者宅の残薬が服用可能であったため、薬剤師の判断で処方された数量を変更して調剤した。
- 薬剤の効果が不十分と考えられたため、処方医に疑義照会した。
- 薬剤の副作用が発現していると考えられたため、薬剤師の判断で服用量の減量を指示した。
正解.
問310:3
問311:2, 4
解 説
問310
外用剤に滲出液を吸収させたい、という点から水溶性基剤を選択する必要があります。
選択肢 1 ですが
白色ワセリンは、代表的な油脂性の基剤です。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
親水クリーム(親水軟膏)は、代表的な o/w 、乳剤性の基剤です。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は、正しい選択肢です。
マクロゴール軟膏は、代表的な水溶性の基剤です。
選択肢 4 ですが
単軟膏は、代表的な油脂性の基剤です。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
吸水軟膏は、代表的な w/o、乳剤性の基剤です。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
問311
選択肢 1 ですが
採血を行うことは、できません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、正しい選択肢です。
糖尿病治療において、痛みなどの自覚症状が乏しいことから服薬を自己判断で中止するケースなどが見られます。他にも、薬を飲んだと勘違いすることによる服薬忘れなども考えられます。服薬を容易にするために、服薬カレンダーに薬剤をセットするのは適切であると考えられます。
選択肢 3 ですが
勝手な判断で、処方された数量の変更はできません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい選択肢です。
選択肢 5 ですが
勝手な判断で、服用量の減量を指示してはいけません。
以上より、正解は 2,4 です。
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