100回薬剤師国家試験 問248-249解説

 問 題     

17歳男性。高等学校での授業中に黒板の文字が見えにくくなり眼科を受診した。仮性近視であると診断され、以下の薬剤が処方された。お薬手帳を確認したところ、整形外科で湿布薬を処方されていることがわかった。

問248

この点眼剤に関する記述のうち、適切でないのはどれか。2つ選べ。

  1. 緑内障の患者には禁忌である。
  2. 点眼後、しばらくは強い光を直接見ないように注意する。
  3. 湿布薬の揮発性成分の影響があるので、開封した湿布薬と一緒に保管しない。
  4. 容器に記載されている使用期限は開封後の品質を保証するものである。
  5. 指示通りに使用すると、約1週間で無くなる量である。

問249

トロピカミドによる仮性近視改善に関わる機序はどれか。1つ選べ。

  1. ムスカリン性アセチルコリン受容体の刺激により毛様体筋が収縮し、水晶体の厚さが増して屈折率が上昇する。
  2. ムスカリン性アセチルコリン受容体の刺激により毛様体筋が弛緩し、水晶体は平化して屈折率が減少する。
  3. ムスカリン性アセチルコリン受容体の遮断により毛様体筋が収縮し、水晶体の厚さが増して屈折率が上昇する。
  4. ムスカリン性アセチルコリン受容体の遮断により毛様体筋が弛緩し、水晶体は平化して屈折率が減少する。
  5. コリンエステラーゼの活性化により毛様体筋が収縮し、水晶体の厚さが増して屈折率が上昇する。
  6. コリンエステラーゼの活性化により毛様体筋が弛緩し、水晶体は平化して屈折率が減少する。

 

 

 

 

 

正解.
問248:4, 5
問249:4

 解 説     

問248

選択肢 1 は、適切な選択肢です。
トロピカミドは、抗コリン薬の一種です。そして、緑内障の患者には抗コリン薬が禁忌です。

選択肢 2 は、適切な選択肢です。
トロピカミドは、散瞳薬です。瞳が開き、普段よりまぶしく見えます。そのため強い光を直接見ないように注意するよう指導します。

選択肢 3 は、適切な選択肢です。
揮発成分が目薬に浸透し刺激を感じることがあるといった理由です。

選択肢 4 ですが
開封後ではなく、開封前の品質を保証するものです。開封後は、なるべくすみやかに使用します。よって、選択肢 4 は適切な選択肢ではありません。

選択肢 5 ですが
約 20 滴で、1mL です。1日 1回 1滴 ですので 1日量が、約 0.05 mL です。よって、約 100 日で無くなる量です。約 1 週間では、ありません。よって、選択肢 5 は適切な選択肢ではありません。

以上より、正解は 4,5 です。

問249

トロピカミドは、抗コリン薬です。アセチルコリン受容体を遮断します。その結果、毛様体筋(水晶体の厚さを調節する筋肉)が弛緩し水晶体は扁平化します。屈折率は減少します。

以上より、正解は 4 です。

補足 近視について
ちなみに近視とは、光を屈折しすぎていて焦点が網膜よりも近くになっているという状況といえます。(イメージは下図)

「仮性」近視 というのは眼の使いすぎ などが原因で「一時的に」毛様体筋が過剰に緊張し水晶体が厚くなったままになったために近視になっているということを表しています。

そのため、屈折率を「減少」させる方向に作用する薬で近視が改善されます。補足 終わり

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