問 題
新生児・小児の薬物動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 新生児では成人に比べ体重当たりの総体液量が多いので、水溶性薬物であるセフェム系抗生物質などは、体重当たりの投与量が成人より多めに設定されることが多い。
- 新生児の体表面積当たりの糸球体ろ過速度は成人の20~30%であり、成人と同程度になるには5~7年を要する。
- フェニトイン代謝能は、生後、急激に上昇する。
- 一般に、硫酸抱合と比較して、グルクロン酸抱合代謝能の発達は早い。
- 1~3歳児におけるテオフィリンの体重当たりのクリアランスは、成人より低い。
正解.1, 3
解 説
選択肢 1 は、正しい選択肢です。
赤ちゃんの方がみずみずしくプリっとしていることから、前半の記述(体重当たりの体液量が多い)をイメージするとわかりやすいかもしれません。
選択肢 2 ですが
新生児の糸球体ろ過速度は、生後半年弱で成人と同程度になります。5~7年は要しません。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は、正しい選択肢です。
選択肢 4 ですが
硫酸抱合と、グルクロン酸抱合が逆です。新生児の抱合能に関してグルクロン酸抱合能の発達は遅い という点を特に意識して覚えておくとよいです。(サリチル酸やアセトアミノフェンが、成人ではグルクロン酸抱合体として排泄されるが、10歳未満では硫酸抱合体として排泄されるといった違いに反映されます。)よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
低いではなく、高いです。小児の方が代謝活性が高い代表的な薬物として、フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン、テオフィリンなどがあります。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,3 です。
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