問 題
精神疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- パロキセチンは、セロトニン5-HT3受容体を遮断する。
- トラゾドンは、セロトニン5-HT2A受容体を刺激する。
- タンドスピロンは、セロトニン5-HT1A受容体を刺激する。
- ヒドロキシジンは、セロトニンの再取り込みを阻害する。
- ミルナシプランは、セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。
正解.3, 5
解 説
選択肢 1 ですが
パロキセチンは、SSRI です。セロトニンの再取り込みを選択的に阻害することにより抗うつ作用を示します。受容体を遮断するわけでは、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。ちなみに、5-HT3 受容体を遮断する代表的な薬は、ラモセトロン(イリボー)です。
選択肢 2 ですが
トラゾドンは、非三環系抗うつ剤です。セロトニン受容体の拮抗作用に加え、弱い取り込み阻害作用を示します。セロトニン 5-HT2A 受容体を刺激するわけでは、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。
(雑感メモ —–
ちなみに、セロトニン5-HT2A 受容体を選択的に刺激する薬は現時点ではみられないようです。遮断薬は、サルポグレラートやリスペリドンやペロスピロンがあります。刺激により、ドパミン放出が抑制されるため『ドパミン遮断』が無効化した場合の薬 みたいな使い方がありそうなんですが。。。メモ 以上—–)
選択肢 3 は、正しい選択肢です。
タンドスピロンは、非Bz系の抗不安薬です。脳内 5-HT1A 刺激薬です。5-HT1A 受容体を刺激することにより、セロトニン作動性神経の活動を抑制し抗不安作用を示します。
選択肢 4 ですが
ヒドロキシジンは、非Bz系の抗不安薬です。抗ヒスタミン薬です。セロトニンの再取り込みを阻害するわけでは、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい選択肢です。
ミルナシプラン(トレドミン)は、SNRIです。セロトニン、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害します。
以上より、正解は 3,5 です。
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