薬剤師国家試験 第100回 問154 過去問解説

 問 題     

副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アセチルコリンは、血管内皮細胞において一酸化窒素合成酵素(NOS)活性を低下させる。
  2. アセチルコリンのアセチル基をカルバモイル基に置換すると、コリンエステラーゼによる分解を受けにくくなる。
  3. コリンエステラーゼ阻害薬は、ニコチン様作用のみを示す。
  4. ブチルスコポラミンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を非競合的に遮断する。
  5. プロパンテリンは、第四級アンモニウム化合物で、末梢のムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断して鎮痙作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
アセチルコリンは、血管内皮細胞において NOS を活性化させます。(その結果 NO 合成が促進→血管拡張作用を示します。)よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい記述です。
(アセチル基をカルバモイル基にすることで、コリンエステラーゼによる分解を受けにくくした薬として、ベタネコールやカルバコールがあります。)

選択肢 3 ですが
コリンエステラーゼ阻害薬は間接的にムスカリン様作用もニコチン様作用も示します。ニコチン様作用のみでは、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ブチルスコポラミンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体の競合的拮抗薬です。非競合的拮抗薬では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい選択肢です。

以上より、正解は 2,5 です。

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