薬剤師国家試験 第100回 問151 過去問解説

 問 題     

受容体刺激薬と遮断薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 刺激薬のpD2値が大きいほど、効力が小さい。
  2. pA2値は、競合的遮断薬の効力を示す。
  3. 受容体に結合した競合的遮断薬は、高濃度の刺激薬を共存させても受容体から解離しない。
  4. 遮断薬のうち、アロステリック部位に結合するものを、競合的遮断薬という。
  5. 部分刺激薬は、完全刺激薬により生じる最大反応を減弱させる。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
pD2 とは、-log(ED50) で定義される値です。「値が大きいほど、少量でよく効く」ことを意味します。効力が小さいわけでは、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい選択肢です。

選択肢 3 ですが
競合的遮断薬の存在下で刺激薬の濃度を十分高めると、薬の効果が十分に得られます。仮に、受容体から競合的遮断薬が受容体から解離しないとすれば、刺激薬の濃度を上げても薬効は変わらないと考えられます。従って、選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
アロステリック部位とは、活性部位とは別の調節部位のことです。アロステリック部位に結合する遮断薬は非競合的遮断薬と呼ばれます。競合的遮断薬では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい選択肢です。

以上より、正解は 2,5 です。

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